TO TRAINEES

実習生の方へ

精神科実習を実りあるものにするために

信貴山病院グループハートランドしぎさんの実習調整担当者から、
実習を受けるにあたっての心構えをお伝えします。

MESSAGE 実習調整担当者

「相手に興味を持って接し、疾患をみるのではなく人をみること」

看護師長 北浦 順子

遠い昔の記憶を辿り私の学生実習を振り返ってみるとまず浮かんでくるのは成人看護学実習です。なかなか上手に話を進められず集めたい情報が収集出来ずにただただ時間が流れた実習初日から実習指導者さんや学校教員にアドバイスを頂きながら実習最後には「あなたがいてくれて本当に良かった。」と感謝のお言葉や実習が終わった後、お礼のお手紙も頂きました。時間が経った今でも忘れられない思い出です。

ハートランドしぎさんでは精神科病棟や認知症病棟での実習となります。実習に来られた学生さんが口にするのはやはり何を話していいのかどう接していいのか分からないといった不安です。そんな時にアドバイスさせて頂くのはまず相手に興味を持って接し、疾患をみるのではなく人をみることです。上手に会話が出来なくても自然と気持ちは伝わります。
相手を知ろうとする気持ちから何かが見えてくると思います。不安いっぱいで始まる実習も最後はどこか違う、何かを得て笑顔と自信にあふれる実習にできるよう私たち指導者も出来る限りのサポートをさせて頂きます。
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実習指導者メッセージ

信貴山病院グループのハートランドしぎさんで働く実習指導者からのメッセージです。

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福田 貴大

精神療養病棟(東2病棟)

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私が働いている病棟は内科療養病棟です。内科療養病棟では自宅に帰ることが難しく、慢性疾患の病状の管理、治療が必要な方が多いです。そのため、人生の終焉まで看取らせていただくことも多くあります。当院の中で唯一精神科病棟ではありませんが、他病棟からの転入の割合が多いため基礎疾患に精神疾患をお持ちの患者様が多数おられます。そのため、精神疾患を持ちながら、内科的な身体管理を学ぶと同時に、心に介入する精神看護も学んでいただくことができます。

私たちの病棟では日常生活援助を通して、日常のメリハリをつけて生活していくことから、ベッド上で寝たきり患者様の点滴管理や褥瘡処置、経腸栄養管理(NGT,PEG)といった多岐にわたる業務があります。それに加え、作業療法への参加や年に2 回の催し物(新年会、夏祭り)を企画、運営しています。

人生の終焉までを過ごす患者様にとっては「生活の場」であるため、できる限り患者様、家族様の希望に添えるようコミュニケーションを“ 密”にとって関わっています。プライマリーナージングを採用しており、受け持ち患者様の変化を体験しながら、日々看護を楽しんでいます。看護の実践を一緒に体験してみませんか?

直近の1 年はコロナウイルスと人類の戦いの中で医療業界も大打撃を受けています。医療ひっ迫や心無い声などで現場も大変な中、この業界に夢を抱いて入ってこられる皆様とお会いできることを楽しみにしております。
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西岡 緑

精神一般病棟(西2病棟)

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私が勤務している西2階病棟は、精神一般病棟として精神疾患と共に身体合併症に対する治療を必要とする患者様が多く入院されている病棟です。精神面に加え身体的ケアが必要となるため、精神看護と共に身体疾患に対する治療や看護を同時に学ぶことのできる病棟でもあります。患者様の中には、ご自身で思いや感情を表出することが難しい方もいらっしゃるため、ほんの少しの変化にも気付けるような注意深い観察や気付きが必要となってきます。
看護師となった今でも、目の前にいる患者様を通して学ぶことは多く日々勉強が必要です。実習生の方には、まずは相手に関心を持つということを大切に実習に取り組んでもらいたいと考えています。実習指導では、臨地実習ならではの環境の中で気付く力を大切に学生の「なんでだろう?」と思ったその気付きを看護に結び付けられるような指導を心掛けています。
学生の頃は、教科書とは違い日々変わる患者様の変化に追い付けず記録に追われる日々でした。しかし、私にとって精神科病棟での実習は自身の言動や行動、表情がもたらす影響について振り返り、自身の強みや弱みを知る貴重な経験であったことを覚えています。対象に関心を持ち理解することで見えてくる看護の楽しさや難しさを学べる、そんな実習に携われたらと思います。
コロナ禍の中、将来に不安を抱いている方も少なくないと思います。でも、こんな時だからこそ考え方を変えてみてはどうでしょうか?気持ちの持ちようで良くも悪くも変わるのが人生です。今考えている事、感じている事、挑戦したこと全てがきっと皆さんの大きな力になると思います。終息するその日まで、共に頑張りましょう。
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江田 智美

精神科急性期治療病棟(南5病棟)

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わたしが働いている病棟は急性期病棟です。48病床男女混合型の閉鎖病棟で、入退院によるベッド稼働率は高く、入院患者様の年代も10歳代から90歳代と幅広く、社会的な背景や入院時病名・入院目的は多岐に渡ります。急性期病棟では任意入院、医療保護入院の方がほとんどです。治療抵抗性統合失調症患者様に対するクロザリルの導入も開始しています。(※応急入院、措置入院、緊急措置入院、鑑定入院はスーパー救急病棟で受け入れています。)早期治療・療養をすることで3か月以内の退院を目指し、早期病状の安定、社会復帰を目指しています。そのため、個別性を重視しながら医師や他部署と連携し治療・看護を提供しています。
急性期病棟でも症状の急性増悪により、自傷他害の恐れがある患者様に対して、精神保健指定医の診察のもと行動制限の実施をすることもあります。しかし、その姿が本来の患者様の姿ではありません。病棟実習では、まずその人本来の人間性を知っていただくことから始めていきます。精神疾患をもつ患者様との関りの中で、困難に遭遇した時には一緒に考え、根拠をもって助言や指導をし、学生個々に応じた学びの手助けができるように心掛けています。学生もチーム医療の一員です。楽しみながら実習に臨んでください。スタッフ一同お待ちしています。
コロナ禍の中、世間の自粛自粛のムードの中でストレスも多いかと思います。感染対策を実施しながらの新しい生活スタイルには慣れて来たでしょうか。これからの将来に不安を抱いている方も多くいらっしゃると思います。1日でも早く収束することを願いながら、そんな中、医療に携わりたいと志していらっしゃる皆様の思いにも寄り添っていけたらと思います。